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ある日、普段聴いている音量より一段階コントロールアンプのゲインを上げました。す
ると高域と低域のバランスが悪くなって響きが無くなってつまらない音になってしまいま
した。普段はセレクタースイッチ以外は何も弄ることはせず、更に音量も固定していまし
たから何が起こったのか理解できませんでした。音楽を聴く時と、調整の時を普段から完
全に分けて行っていましたのでレコードを聴きだしてから途中で止めることなどはせず、
悪いときはそのままで通して聴き終えてから対処方法を考えるというものでした。安直に
トーンコントロールなどで補正する事などはもってのほかであるという考え方は頑固一徹
に続けています。細かく調節が出来る大型のアッテネーターを購入したりもしましたが、
高域と低域の混じった信号を一つの調整でコントロール仕切れないことが原因でした。聴
感上の音量は高域と低域では差が生まれるので微妙な違いから2Wayや3Wayのネッ
トワークを介して生まれてくる音のハーモニーに大きな影響が出てしまいます。私はLP
レコードの殆どがグラモフォン盤ばかり聴いていましたが、時々CBSソニー盤などを聴
こうとすると全くつまらない演奏に嫌気がさして「何でこんなレコードを売っているのか
!」、「何でこのレコードの評判がいいのか分からない?」と思ってしまうことが良くあ
りました。これが、制作メーカーによる録音レベルなどの違いから発生してしまう微妙な
響き方が問題であることに気がついてから解決方法を探ることを続けました。当時から一
部のマニアがマルチチャンネルと称するシステムを構築していましたが、コントロールア
ンプから出力された信号をチャンネルデバイダーによって分離された高域や低域の信号を
個別のパワーアンプによって増幅するというものでした。ネットワークでは微調整できな
いものをこの方法で行うことによってメーカー間での音量違いばかりではなく、曲の趣に
よって小音量で聴きたいものや大きな音量で聴きたいものそれぞれの理由によって微妙な
高域と低域の間に生まれる実際の聴感上の誤差を補正してあげれば良いのではないだろう
かという結論に行き着きました。これを行うにはアンプも大事だがチャンネルデバイダー
が重要な部分をコントロールする訳なので特性上良質な機器を選択しなければならないと
考えて当時のアキュフェーズに相談して同社のFー15を選択して、クロスオーバー周波
数の設定などやパワーアンプは同じものがベストであるご意見を尊重してMC2500を
もう一台購入してシステムを構築することになりました。アキュフェーズのパワーアンプ
は最初から構想に入っていないにも関わらず相談に快く答えてくれたお陰で現在のシステ
ムがあります。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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